【ソウル=牧野愛博】1980年9月、当時、野党指導者だった金大中(キム・デジュン)元大統領に韓国の軍法会議が死刑判決を出したことを受け、鈴木善幸首相(当時)が同年11月、駐日韓国大使に対し、刑の執行を思いとどまるよう強く申し入れていた。 韓国外交通商省が21日付で公開した外交文書によると、鈴木首相は韓国に反発する日本の世論を紹介。刑が執行されれば日韓協力が制約を受け、日朝関係の拡大を望む声が強くなりかねないとした。米国も韓国に強い圧力をかけた。韓国政府は81年1月、最高裁で金大中氏の死刑判決が確定した直後、閣議で無期懲役に減刑した。