OECDの国際学力調査、PISA調査で、日本の順位が近年急速に下がり、PISAショックと言われている。確かに日本の子どもたちの学力は低下しているようだ。 この原因として、ゆとり教育が槍玉に挙げられ、見直しが始まっているが、本当にゆとり教育のような政策的な問題が原因で学力が低下しているのだろうか。 ここでは、学習時間の国際比較を通して、こうした学力低下の原因は、日本の学生が、勉強しなくなったのが、主な原因である可能性について指摘したい。 高校生の勉学に対する意識 まず、日本の高校生の学習意欲は、国際的に見て、どうなのだろうか。 「高校生の学習意識と日常生活」(日本青少年研究所 2004年2月)では、日本、アメリカ、中国の高校生の勉学に対する意識を調査している。その結果は、次のようになっている: 1.勉強について ①学校以外の勉強時間が少ない :「学校以外ほとんど勉強しない」