マーガレット・J・スノーリング ヨーク大学(イギリス) ディスレクシアとは、脳に何らかの問題があるために生じるもので、遺伝の可能性が高く、言語障害の一つであると以前から知られている。最も広く受入れられている認知面からのディスレクシアについての説明は、音韻障害が基底にあるというものである。どういうことかと言うと、ディスレクシアの人が読むことを学習する課題に直面したとき、必要な音韻表象が非常に乏しいと考えるとわかりやすい。つまり、彼らの脳が音韻を符号化する(音と文字を組み合わせる)場合、健常に発達している子どもよりも効率が悪いということである。この音韻表象の問題が、行動レベルで多くの様々な典型的な症状を引き起こす。例えば、話しことばの短期記憶障害、ノンワード復唱障害、新しい言語情報に含まれる音韻的の学習障害、語想起の問題や早く呼称できないなどがある(スノーリング、2000年を文献研究として参照