27日午前の東京外国為替市場の円相場が一時、平成7年7月以来、14年4カ月ぶりの円高水準となる1ドル=84円台後半まで急伸した。米国の超低金利政策の長期化観測や欧州、中東の金融不安を背景に急激な円高が進んだ。藤井裕久財務相は同日の閣議後会見で、為替相場の現状について、「一方的に偏った動きであることは間違いない」との認識を示した。 アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ首長国政府が政府系持ち株会社の債務支払い延期を求めたのを受け、欧州の金融機関への影響を懸念しユーロが売られ、円高を誘った。米国経済の不透明感や超低金利政策の長期化観測でドル安傾向にある中、円へのマネー流入が加速した形だ。 藤井財務相は会見で、「無秩序な動きには適切に対処する」と述べたが、市場介入への具体的な言及は避けた。 しかし、急激な円高は、日本経済を牽引(けんいん)する輸出産業にダメージを与えかねず、経済界には不安が広がったい