遙から 母校の女子大に講演で呼ばれた。私を招いた教授の悩みというのは学生たちの就職問題だった。せっかく大学で資格を取り就職してもすぐ辞める、そしてバイトを転々としてしまうのだそうだ。実に現代っ子らしい生き方を嘆く世代に私も教授もいる、という現実がおかしかった。なぜなら、自分もまた大学在学時にはそのように教授たちを嘆かせていた学生のひとりだったに違いないのだから。 私は女子大生というのが好きではない。苦手というか、はっきり言おう。嫌いだ。若さが根拠のない自信を持たせ、不遜で傲慢でそのくせ傷つきやすい。世間を知らないくせに若さを武器にした世渡りだけはしたたかで、なにか知らないが、とても毎日が楽しそうだ。それだけで嫉妬するし、うらやましいし、なんだか悔しい。 そんなバカげた理由で、女子大生相手の仕事などには距離を置いてきた。だが今回は母校であることと教授の熱心さに根負けしたというわけだった。 会
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