新たな国際文学賞「大江健三郎賞」の創設を記念して、大江氏本人が6日、ドイツのフランクフルトで講演を行った。日本の現在の文化的な状況に対し、「閉鎖的になろうとしている」と、強い懸念を表明した。 世界各国で村上春樹氏の小説が翻訳され、リービ英雄、多和田葉子氏らは日本語と外国語の両方で文学活動をしている。しかし、「日本は今、『鎖国』の再現にさえ向かいかねない傾向がある」と述べた。 来年5月に第1回受賞作が発表される講談社主催の同賞は、大江氏が一人で選考。受賞作は英語などに翻訳して出版される。海外への発信を重視する理由は、この閉塞(へいそく)的な状況に対する危機感からだったという。 日本文化の閉鎖傾向は、若い世代の文学作品の「小児化」に、先端的に表れているとも指摘した。 「低年齢化する書き手たちが次々に注目される文学賞を得て、大部数の読者を勝ち取る現象が続く。そのようなわが国の文学シーンで、(しか
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