地方創生と地域活性化が話題になって久しい。だが、そこで議論される活性化とは結局何を指しているのだろうか。未だによく分からない。 3月前半にある学会の地方都市で開催されたパネルディスカッションで、地方都市の首長、図書館イノベーションが話題の企業担当者、超小規模自治体が設けた「新しい発想」で作られたという公営塾の担当者、Uターンで開業した商店主らと同席する機会があった。 そこでの議論の中心は「地方には、地方の良さや可能性がある」「地方の強みは多様性である」「アウトカムでは計測できない良さがある」といったものだった。 こうした議論は、ある種の情緒を刺激することは理解できるものの、結局中身がよく分からないと以前から思っている(たとえば、2008年に書いた書籍収録論文や、2012年に書いた書籍収録論文等にも。他にも、宇野常寛さんらの『PLANETS増刊号 ゼロ年代のすべて』にも郊外論を書いたことがあ