スーパーアグリ、それは「夢」のチームでした。 その設立の経緯を紐解けば、スーパーアグリというチームは、ホンダをクビになった佐藤琢磨を救済するという意味合いが非常に濃いチームでした。ホンダのマシンに乗りF1の表彰台に立った佐藤琢磨は日本のヒーローであり、日本でのF1人気を支える看板でした。しかし、ホンダというチームは元々がBARというイギリス系チームであり、BAR出身のスタッフが大きな発言力を持っている組織。その一見「日本」でありながら、内実は「イギリス」であるという部分が、思えばこの悲しみを既定路線にしていたのかもしれません。 2005年にホンダからの離脱を画策したジェンソン・バトンは、ウィリアムズとドライバー契約を結びます。しかしバトンは、翌年度のウィリアムズの戦闘力低下を懸念し、突如ホンダへの残留を希望するという暴挙に出たのです。そのときホンダは既にルーベンス・バリチェロとの契約を