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ブックマーク / natrom.hatenablog.com (69)

  • 日経メディカルでトンデモ医療裁判の特集 - NATROMのブログ

    誰かが書くかなと思っていたけどあまり話題にあがらないので自分で書く。今月号(2007年10月)の日経メディカルの特集は、「医師を襲うトンデモ医療裁判」であった。 ■日経メディカル 2007年10月号(魚拓) 医師を襲うトンデモ医療裁判 医療の限界や不確実性を考慮せず、医学的な根拠も蔑ろにする「トンデモ」判決が、医療界を脅かしている。そのトンデモなさは、萎縮医療を促進するだけでなく、ハイリスク診療科や病院からの医師の逃散を招いている。 このままでは、司法が原因でこの国の医療が崩壊することになりかねない。(P56) 医療系のブログでさんざん言われてきたことである。しかし、いくら医療者向けの雑誌とはいえ、紙ベースの出版物でトンデモとまで言い切った司法批判は珍しいのではないか。私の記憶では、「医療者側に厳しい判決と言わざるを得ない」とか、せいぜいそのくらいまでだったように思う。記事は、トンデモ判決

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  • 母乳で伝わる遺伝子 - NATROMのブログ

    無知と偏見は連鎖する。病気の原因がわかっていなかったのがハンセン病患者に対する偏見の一因である。ハンセン病は感染症であり、感染力は非常に弱いことが周知されれば、「ハンセン病は患者が過去に犯した悪行に対する報いだ」などという偏見は消えていく。ハンセン病患者に対する偏見・差別は残っているが、少なくとも現代日においてハンセン病を業病扱いすれば、発言者は知性を疑われる。知識は、偏見や差別に対する武器になる。 さて、私が以前から注目していた■心に青雲というブログがある。ブログ主は「空手道場主宰」で、エントリーにはしばしば「わが流派の最高幹部」の教えがよく登場する。「わが流派」とは、南郷継正氏が主催する空手道玄和会だと思われる*1。このブログではいささか私たちが知っている科学とは相容れない主張がなされている。たとえば、発達障害に関する一般的な学説を否定し、「原因は親自身の生活過程にある」と断言する。

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  • 医療業界が自由競争ではうまくいかない理由 - NATROMのブログ

    「医療業界にはいろいろ規制があって非効率的だ。市場原理にまかせて競争にさらせば、より良い医療機関が残り、医療の質は向上する」 という意見を散見する。「混合診療全面解禁を!」「医師会が反対するのは既得権利を守るためだ」という主張とセットになっていることが多い。一般的には自由競争は市場を効率化するが、医療業界は自由競争ではあまりうまくいかない。なぜか。理由はいろいろあるが、その一つは情報の非対称性である。 通常、商品を買うときにはその商品の質を買い手は評価できる。1万円の洋服を買うのは、1万円の価値があると判断してから買えばよい。情報の非対称性の説明でよく持ち出される中古車市場においてすら、商品を買ったあとでスカと分かれば、次からその業者から買わない、その業者の評判を共有する、など、買い手が売り手に対抗する方法はある。 では医療においてはどうか?病室の清潔さ、事の質、医師の態度、説明が十分か

    医療業界が自由競争ではうまくいかない理由 - NATROMのブログ
    konaze
    konaze 2007/10/05
    統計、評価の難しさ。
  • 嫌煙系のトンデモ - NATROMのブログ

    煙草の害に関しての意見には両極端があるようで、能動喫煙すら害は証明されていないと主張する一方の端と、喫煙の害を過大に主張するもう一方の端とがある。「たばこの害は医学的に証明されたといっても、実際のところ、証明なんて言うのもおこがましい状態だ」という養老孟司の主張を紹介したので、今回はもう一方の反対側の端を紹介する。ネタ元は、みんなが大好きなTOSSランド。 ■ライフスキルを取り入れた「煙草」の授業 3.受動喫煙の恐怖を知らせる Aさんの奥さんにやっと赤ちゃんができました。なかなかできなくって、やっとさずかった赤ちゃんでした。 Aさんと奥さんはとびあがらんばかりに喜こびました。半分あきらめていましたから・・・。 ところが、その赤ちゃんは死んだまま生まれる「死産」でした。 赤ちゃんの肺からは、考えられないほどたくさんのニコチンとタールが検出されたそうです。 今から先生が読むのは実話です。と話し

    嫌煙系のトンデモ - NATROMのブログ
    konaze
    konaze 2007/09/29
    さすが。トンデモ分析力と、主張の公平さがNATROMさんらしい。でもこの、“どれがトンデモでどれが真実か”がわかりにくいんだよな…結果的にヒステリック=トンデモ、と省判断してしまうことが。きちんと見分けよう。
  • NATROMの日記 - 2007-09-19 「喫煙者の壁」

    医局に置いてあった文藝春秋をふと読んでみると、「変な国・日の禁煙原理主義」という記事があった。「官が押しつける健康増進。この国はおかしくなっている」という副題がついている。養老孟司と、山崎正和という劇作家の対談形式。確かに、最近の禁煙運動にはやりすぎのところもあると、煙草を吸わない私でも思うくらいだ。たとえば、喫煙所を廃止して施設内全面禁煙にするものだから、裏口が事実上喫煙所になっており、そばを通ると臭いし吸殻も汚い。明確に分煙するほうが、お互いにハッピーであろうに。 というわけで、読む前は、この文藝春秋の記事は行き過ぎた禁煙運動に対する警鐘であるかと思った。劇作家のほうは知らないが、養老は、東大医学部を出て、基礎系とは言え教授まで勤めた人である。世間一般で思われているほどではないにせよ、それなりの医学知識は持っているであろうと私は考えていた。ところが読んでみてびっくり。養老は、基的な

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  • 毎日新聞クオリティ - NATROMのブログ

    新聞記者はさまざまな分野の記事を書かないといけないので、専門家からみたら正確さに欠ける記事になってしまうのはある程度は仕方がないと言える。しかしながら、ある特定の新聞社の記事だけが、ある特定の方向へのみ不正確になっているとしたら、それは「仕方がない」と言えるのだろうか。最近、実例を続けて二つほど目にした。 ■タミフル:異常死で提訴 岐阜の遺族、因果関係の解明求め*1(毎日新聞)(魚拓) 04年2月にインフルエンザ治療薬「タミフル」服用が原因とみられる異常行動で死亡した、岐阜県下呂市の男子高校生(当時17歳)の遺族が、独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」が死因を「別の薬による副作用」と認定したため精神的苦痛を受けたとして、機構に100万円の損害賠償を求めて岐阜地裁高山支部に近く提訴することが、24日分かった。タミフルの副作用問題で、患者側が因果関係の解明を求めて提訴するのは初。 強調は引用

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    konaze
    konaze 2007/07/26
  • 病院で受診する? - NATROMのブログ

    業界用語はその業界にどっぷりと浸かっているとあまりにも当たり前になりすぎて、それが業界用語であることを自覚できなくことがある。医療業界では、「頻回(ひんかい)」というのが、自覚されない業界用語の代表格であろう。「何度も」「たびたび」という意味である。ここを読んでいる医療従事者の諸君は、これが業界用語であるとご存知だったか?私は数年前まで普通の言葉だと思っていた。基的に、患者さんへ説明するときに「頻回」という言葉を使うのはあまり望ましくないのである。Microsoft IMEでは変換してくれない。Googleで「頻回」で検索すると、医療関係者のサイトばかり。詳しくは、現時点でGoogleトップである■頻回(医学都市伝説)を参照されたし。 さて、復氷− とけた氷がまたこおる − そして吸盤…*1というブログで、「病院を受診する」という言葉が業界用語みたいなものである可能性が指摘された。 ■病

    病院で受診する? - NATROMのブログ
    konaze
    konaze 2007/07/20
    確かに“病院で”、だなぁ… ウチにもなんかあるかな
  • 名前に歴史あり - NATROMのブログ

    トゲアリトゲナシトゲトゲという虫がいるらしい*1。トゲがあるのかないのか分からない。 ■トゲアリトゲナシトゲトゲ(棘有棘無棘々) もともとトゲハムシというトゲのある虫のグループにトゲのない種類がおり、トゲナシトゲトゲと命名された。しかし、トゲナシトゲトゲのグループの中に、トゲを持つ種が発見され、トゲアリトゲナシトゲトゲと命名された。まあネット上の情報を総合するとそんな感じ。いかにもありそうだ。病名にも似たようなものがある。 副甲状腺は副甲状腺ホルモン(PTH)というカルシウムとリンを調節するホルモンを分泌する。このホルモンの分泌が何らかの理由でうまくいかなくなれば、副甲状腺機能低下症*2となる。副甲状腺機能低下症は血中副甲状腺ホルモン濃度は低値で、それを反映して血清カルシウムは低値をとる。 ところが、血清カルシウムは低値なのにも関わらず、血中副甲状腺ホルモンが低値でない(むしろ高値)症例も

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    konaze
    konaze 2007/07/06
    なんかどんどん長くなる関数名を連想した。由来が分かりにくい短い名前を付けるよりはまだマシ…なんだけど…
  • インチキ医療がなくならない理由 - NATROMのブログ

    最近、立て続けにインチキ医療を擁護する人と議論した。彼らの言い分は、体験談および「効かない治療法なら廃れているはずだ」という理屈。「臨床的にも成果を生んでいるからクリニックが成立している」「殆ど効果のないものが医療機関で使われるとは考えられない」というわけ。 実際のところは、効果がない治療を「効果あり」と誤認することはいくらでもある。有名なところでプラセボ効果(偽薬効果)。あるいは、自然治癒や、たまたま治療後に病状が良くなる時期が重なれば、「効果があった!」と誤認してしまう。治療を行うのは病状が悪くなった時期が多いので、自然の経過として病状が良くなる時期がその後に続くことになる。自覚症状だけでなく、血圧や血糖値は変動しやすい。「血糖値が高かったのでこの健康品をはじめたら、以降はずっと下がっています!」。いやそれ何かのはずみでたまたま血糖値が高かったのが普通の状態に戻っただけですから。イン

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    konaze 2007/05/24