・既製服を、仕立てられたもののように着こなす。 そういうことが、ことばの世界でもあります。 たとえば、「おまえが好きさ」というのも、 「愛しあってるかい」というのも、 どこにでも転がっている安価な既製服です。 そして、それを、ほんとうに見事に着こなすと、 なんだかとても素晴らしいものになります。 ありふれたものを、 素晴らしいものにまで輝かせるためには、 安っぽい既製服であることを、わかっていて、 そのことを隠さずに着こなすことが大事です。 その安い既製服をメディアにして、 そのうえに、じぶんだけのたましいを乗せるのです。 どんな服でも、おれが着たら、おれの服なんですね。 若い人というのは、そうやって、 じぶんを伝えるんだと思うのです。 それをロックと言うのかもしれないです。 道端に落ちているものに、じぶんのなにかを乗せて、 「なんだかすっごいもの」に変