パーマカルチャーという言葉をご存知だろうか。 私自身今回の取材まで、植物と動物と人間が共存する自給自足の農業、というような狭い意味でとらえていた。 パーマカルチャーとは実はもっと大きな概念で、一言でいえば「農的な暮らし」ということ。 20世紀を経て私たちが失ってしまった、人と人のつながり感、人と地域のつながり感、人と自然とのつながり感――。それらを取り戻すために、自然の生態系をお手本としながら、人間を取り巻く自然や社会・経済などあらゆる要素を一緒にデザインする考え方、世界中の伝統的な暮らし方の知恵を集めたものをパーマカルチャーという。 そのパーマカルチャーをキーワードに集まったのが、この里山長屋の住人の皆さんだ。 コミュニティの核はパーマカルチャー 新宿から中央線の電車に揺られること1時間、神奈川県北西部に位置する森と湖のまち、藤野。人口1万人のうち、半数がほかの町からの移住者、そして多く