岩手県宮古市姉吉地区に残る昭和三陸大津波の後に津波の教訓が記された石碑(2011年4月30日撮影)。(c)AFP/KAZUHIRO NOGI 【5月9日 AFP】風化した石碑に刻まれた大津波の教訓が、リアス式海岸に住む人々に先人の警告を静かに伝えていた。 岩手県・重茂半島、姉吉地区の住民は3月11日、東北大震災による巨大津波が高台の下の漁港を襲った時に自分たちが難を逃れたのは、中腹の林の中に建つ石碑のおかげだと思っている。 「高き住居は児孫の和楽」――高台にある家は子孫に平和と幸福をもたらす、と記された碑は、太平洋に面するリアス式の三陸海岸で数千人の死者を出した1933年(昭和8年)の昭和三陸大津波の後に建てられた。碑の文句は「想へ惨禍の大津浪(大津波の災いを忘れるな)此処より下に家を建てるな」と続く。 姉吉はさかのぼって1896年(明治29年)にも明治三陸大津波に襲われている。明治の大津