(前編より続く) 最も洗練された知能と身体能力を持つ人型ロボット(ヒューマノイド)の「アシモ(ASIMO)」。先進国でヒューマノイドの開発競争が盛んになる中、アシモで培われた技術が福島第一原発の「調査ロボット」や、自動車など乗り物に応用され始めている。前編に引き続き、アシモが切り開く新しい世界について、本田技術研究所基礎技術研究センターの重見聡史・第5研究室室長に聞く。 インタビュー/長坂邦宏 nikkei BPnet編集 構成/宮島 理 ロボットがいることで人の暮らしが変わる ――あらためてアシモの開発理念についてお聞かせください。 重見聡史さん(以下、重見) 人間の身近なところで役に立つロボットを作るというのが理念です。人間と共存しながら、人間がやってもらいたいと思うことをロボットが実行する。イメージとしては、自分の分身として、自分のことをアシストしてくれるロボットですね。 やはりロボ