使った以上の燃料を生み出すとして“夢の原子炉”と呼ばれた高速増殖炉「もんじゅ」。1兆円を超える巨費を投じてきた一大プロジェクトですが、22年間の運転実績はたったの250日間。再開のめどは立たないまま、長く停止した状態です。 こうした中、政府はもんじゅの廃炉を含め抜本的な見直しを行う方針を明らかにしました。今なぜこのような議論になっているのか、もんじゅを中核施設と位置づけてきた日本の原子力政策はどこへ向かうのか、福井放送局時代から原子力の取材を続けている科学文化部の重田八輝記者が解説します。 もんじゅは福井県の嶺南地域の中心、敦賀市にあります。漁業や農業が中心だったこの地域で、今や原子力は主力産業の1つになっています。もんじゅでは日々多くの人たちが働き、身近な存在になっています。ただ「詳しいことは、よくわからない」という人も多いのではないでしょうか。 7年前に福井放送局嶺南支局に赴任した私に
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