【思い出話】母より父? 倅奴が、まだ一歳になったばかりの事。 夜、ドアを開けたまま、自室で仕事を進めておりました。 カミサンはリビングで本を読みながら、倅をみていました。 倅は温和しく、ベビーサークル内で遊んでいる様子でしたが、急に悲しげな泣き声を上げます。 「あら、あら」 というカミサンの声がしたので、何事かと思って覗いて見ると、倅のヤツ、自分がサークル外に捨てたオモチャを格子の隙間から取ろうとして、手が抜けなくなったらしい。 私が行ったときは、もうカミサンが助けた後でしたが、鼻を真っ赤にし、ポロポロ、ポロポロ涙を流していました。 私の姿を見ると、それまでカミサンに抱かれていたのに、それを振りほどいて私に抱きついてきます。 「あっ、助けたのは私なのに」 カミサンは笑いながらも不平を漏らしました。 そりゃあ、カミサンの立場からすると、ちょっと面白くないでしょう。 子供というのは 「父より母
