383人。 2014年の所在が分からない小学生と中学生の数だ。文部科学省では「居所不明児童」と呼び、居場所もわからず、就学の確認もできない子どもを指す。 昨年厚木市で男児の白骨化遺体が発見された事件で「居所不明児童」が突如、メディアをにぎわすようになったが、文部科学省が「居所不明児童」の調査を始めたのは1961年。50年以上たつのだ。 著者が文部科学省の学校基本調査を洗い出しただけで居場所もわからず、就学の確認もできない子どもの数は累計2万4000人に達する。だが、本書を読むと、この数字が現実とは程遠いことがわかる。 各地の教育委員会の未集計やずさんな調査や管理によって計上されない場合や、住民票の居住地に居住の事実がなければ住民票が削除され、学校基本調査の対象からも外れる事例が少なくない。計上されていても、義務教育期間が過ぎると、自動的に調査対象外になる。数字に反映されずに闇に埋もれている