今日多くの大学で入学式だったと思う。噂によれば、院生だったころの若き日の浅田彰氏は入学式で新入生が読むべき本、聴くべき音楽、見るべき映画をガイドにして配っていたという。その噂の真偽はわからないが*1、もし本当だとすれば、おせっかいな話しだなと思う。しかし毎年、少なくない数の新入生が、大学の生協の膨大な本に圧倒され、脅迫観念にかられて名著とよばれるクラシックを買いこみ、即座に挫折にいたってることを考えると、決して見当はずれな試みではない、とも思う。そこで、氏には到底およばないけれでも、ぼくも新入生にガイドをつくって「おせっかい」を焼いてみようと思い至った。こういうふうに書くとエンライトメント(啓蒙)の有効性をナイーブに信じてる、と思われるかもしれない。もちろんこういうガイドを作る以上、そういう批判を甘んじて受ける覚悟はある。しかし断っておきたいのは、ぼく自身エンライトメントの有効性に懐疑的だ