トヨタ自動車が4月に発売した新型スポーツカー「86(ハチロク)」。トヨタとして5年ぶりとなるスポーツカーは「若者にもう一度クルマの魅力を伝えたい」というコンセプトで開発された。価格も30歳前後の収入でも手が届くよう、売れ筋モデルは200万円台に抑えた。 [フォト] レクサス「GS350 Fスポーツ」 BMW置き去りの加速力 ところが、東京トヨペットのカーテラス渋谷店(東京都渋谷区)が発売後、最初の週末に開いた試乗・商談会に詰めかけたのは、60代前後のシニアが大半だった。2月の予約開始から1カ月間で受注が月間目標の8倍の8000台を突破し、うち50歳以上が25%以上を占めた。 「家族はもう一緒に乗らないので、自分専用に」と、東京都調布市の男性会社員(58)。杉並区の会社員(61)は「足回りを自分なりに改造したい」と目を輝かせた。1980年代には、型式番号の「86」の愛称で呼ばれ、若者に