飯島 徹 日本ヒューレット・パッカード 「仮想化はI/Oに弱い」――。標準化団体のPCI-SIGが仕様策定作業を進めている「I/OV(I/O Virtualization)」やその周辺の技術が確立され,実装されるまでの間,これは事実として存続するであろう。 しかしながら,人によって解釈が異なり,誤解も含まれているのもまた事実である。「I/Oのどの部分が,どれくらい弱いのか」について,具体的に言及している技術資料はあまりない。そこで本稿では,「仮想化はI/Oに弱い」という具体的な理由を探るべく,「ディスクI/O」に焦点を絞っていくつかの検証を実施した。 仮想化環境におけるディスクI/Oの負荷とは 検証の対象を整理するために,まず仮想化環境におけるディスクI/Oの負荷を分解してみた。説明が少し長くなるが,仮想化環境におけるディスクI/Oの特性を理解する上でも役立つので,よく読んでおいてもらいた