地上デジタル放送(地デジ)導入を目指すアルゼンチンが、日本方式の放送規格を採用する見通しとなった。ブラジル外務省から総務省に入った連絡によると、アルゼンチンのフェルナンデス大統領とブラジルのルラ大統領が8日会談し、ブラジルが採用した地デジ日本方式のアルゼンチン導入に向け、両国の技術者によるプロジェクトチームの設置に合意した。産業育成など広範な分野で協力する覚書に盛り込まれた。 地デジの放送規格は日、米、欧の3方式があるが、日本方式は外国でブラジルしか採用例がなく、30カ国以上が採用した欧州方式や、北米の大市場を制した米国方式に出遅れている。このため総務省は、市場開拓の余地がある南米諸国や、フィリピンなどアジアの一部の国々に照準を合わせ、日本方式採用を働きかけてきた。普及すれば日本メーカー製送信設備やテレビの販売が容易になる。 南米諸国はメルコスル(南米南部共同市場)を通じて結びつきが強