■ [日記]情熱の赤い花 後編 昔々、ふもとの村人が、優しいことをひとつすると、ひとつ花が咲く、花咲き山があった。 山姥は、10歳のアヤに教えてくれた。 「昨日、おまえが赤い花を咲かせた。それは、おまえが祭り着を諦めて、 お母さんに『妹のサヨに買ってやれ』と、言ったからだ。 家が貧乏で、ふたりに祭り着を買えないのを知っていたから、自分は辛抱したね? お母さんはどんなに助かったか。サヨはどんなに喜んだか。おまえは切なかったな。 だけども、この赤い花はどんな祭り着よりもきれいだろ」 アヤがこの話を村人に言っても誰も信じてもらえなかった。 しかし、優しいことをするとアヤは時々「あ、今、花咲き山におらの花が咲いたかな」 と思うことがあったとさ。 自分を犠牲にしてでも人に優しいことをする、という実に南先生好みの物語「花咲き山」。 先生は、焼き芋事件の翌日に、みんなのまえで涙ながらにこの話を朗読した。
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