【司馬遼太郎没後20年 空海を想う(中)】空海から始まった私の仏教論 司馬さんとは一時期、微妙な関係に 哲学者・梅原猛さん 「私の仏教論は空海論から始まったのです」。哲学者、梅原猛さん(91)にとっての空海は明快だった。 「元来、京都学派の伝統では、仏教といえば禅と親鸞(浄土真宗の宗祖)なんです。でも、空海の著書を読んで、それまで単なる貴族仏教、祈祷(きとう)仏教とされてきたのがどうもそうではなくて、これは素晴らしい人だと思った。私が仏教に目覚めたのは空海によってであり、仏教研究も空海からでした」 独創的な思想と仏教・古代研究などで知られるが、もともと西洋哲学からスタートし、行き詰まりを感じていたころ、東洋・日本思想に目を向け「思想的転向」を果たした。そのときに出会ったのが密教であり、空海だった。 著書『空海の思想について』(講談社学術文庫)では、理論人で政治家や実業家のような実際人でも
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