一橋大学を擁する国立市は1952年に東京都初の文教地区に指定されて以降、住民により景観が守られてきた。そんな自治体で引き渡し間近だったマンションの解体を、大手住宅メーカーの積水ハウスが発表した。異例の決定に至った本当の理由を探ってみると……。 【写真を見る】奥に富士山が見える「絶景」! 地元住民が誇る富士見通り *** JR国立駅周辺には、パチンコ店など娯楽系の店舗がほぼ存在しない。品位ある学園都市の国立市は、住民によってその美しき景観が守られてきたからだ。 中でもJR国立駅南口を起点に延びる「富士見通り」から眺める富士山は、国交省が「関東の富士見百景」の一つに選定しているほど絶景で、かねて地元民の誇りであった。 「しかし、積水ハウスが21年2月、その富士山の眺望を遮るマンションの建設計画を発表したのです。これに対して地域住民は『国立市まちづくり条例』に基づき市に間に入ってもらうなどして、