日本で「会社は100%株主のもの」と言い切ってしまうと、「従業員はどうするんだ?」「社会的責任は?」という話になるが、それとこれとは話が別、というのが多くのアメリカ人の考え方である。「会社は100%株主のもの」と割り切った上で、それぞれが「自分の時間」と「会社の与えてくれるもの」を天秤にかけて、「今の会社に残るべきか、別の会社に移るべきか」を毎年とは言わずとも少なくとも2~3年に一回は真剣に考える、というのは彼らにとってごく当たり前のことである。優秀であればあるほどこの傾向が強い。 アメリカで会社を経営する時に一番難しいのは、そんな環境でどうやって優秀な人たちを会社に雇い、かつ、会社のために一生懸命働いてもらうか、である。給料をたくさん払って繋ぎ止めるというのももちろん一つの方法だが、よほど儲かっている会社でなければそんな方法では経営が成り立たないし、へたをすると仕事もしない単なる給料泥棒