アクセス:小田急線町田駅東口から徒歩15分、JR横浜線町田駅北口から徒歩約15分、ターミナル口から徒歩約12分 「歩きながら思索にふける人」のことをフランス語では「フラヌール」というそうだ。詩人ボードレールが考案した概念のようである。人混みの中、あるいはだれも歩いていない夜の街を自分の足でさまよいながら、フラヌールは様々な物事を思い浮かべる。それは吉田兼好がいう「心に移りゆくよしなし事」のようなものだろうか。まるで一粒の麦のように大衆の中に溶け込んで、フラヌールは都会を放浪しているである。日本語では「遊歩者」と訳されるこの言葉。それが何を指すかを考えていけば、この展覧会が何をもくろんでいるかが推測できるだろう。現実と夢、幻と実態の間を行き来する想念。20世紀から現代へと生きる人々の心象風景。25人の作家たちが生み出した約150点の作品が展示されているのである。 清原啓子 《領土》 エッチン