現代の企業活動では多種多様な電子データの作成・加工が不可欠です。しかし作成されたデータが有効活用されているかというと必ずしもそうではありません。日々の業務の終了とともにデータを消去するという企業が少なくありません。これにはデータの保存場所が足りないという事情もありますが主たる理由はデータ量があまりに大きく活用の方法が見出せないからです。 本シンポジウムの目的は、こうした大量の業務データの有効活用を促進することであり、そのために経済物理学(Econophysics)の分野で進展している活用事例を紹介するとともに、業務データを調査・分析に活用するための制度整備について議論します。 具体的には、(1)企業の取引関係・資本関係データなどを用いた経済ネットワークの諸特性に関する分析、(2)為替や株の取引毎のデータ(ティックデータ)を用いた資産価格の変動特性に関する分析、(3)POSデータなどの小売取