さよならなんて云えないよ 嫁へ行くつもりじゃなかった、結婚したいと思っていたわけじゃなかった、とはいえ結婚しないと決めていたわけでもなかった、我ながら結婚について書く資格はない、けれど悪妻と罵られる謂れもない、……「結婚」について書くとき考えるとき、「ナイ、ナイ、ナイ」と否定を積み重ねてしまうのは何故だろう。 私が文章に否定形を多用するのは今に始まった話ではナイのだが、テーマが「結婚」だったせいか、ことさら読み手にネガティブな印象を与えてしまっていたようだ。パンドラの函と同じで、数々の否定が飛散していったあと、最後に残るのはたった一つの肯定、だと思っているのだけれど、そうは受け止めてもらえなかったりもする。 突然だが、私は自称アーティストでも何でもなく通りすがりの一般人で、「無の状態でいるところに或る日突然インスピレーションが降ってきて、そこから新しいアイディアが自然に湧いてくる」といった