米アップル社の光拡散フィルムを製造している「恵和」の和歌山テクノセンター=和歌山県印南町で2020年12月28日午後3時36分、岡大介撮影 新作が発売されるたびに、世界が注目する米アップルのスマートフォン「iPhone」。その画面に使われる光拡散フィルムが、和歌山県にある日本企業の工場で製造されていることはほとんど知られていない。紀伊半島の先端近くに位置する南紀白浜空港から車で1時間弱の山間地に、高機能フィルムメーカー「恵和」(本社・東京)の生産拠点がある。 「アップル製品に再エネ導入は最低条件」 同社は2020年11月、和歌山工場のアップル向け生産ラインで使う電力を太陽光や風力などの再生可能エネルギーに切り替えた。「アップルから『あなたの企業が使うエネルギーは?』と聞かれて化石燃料を出したらその時点で終わり。再エネ導入は最低条件で、その上で技術の勝負になる」。恵和の長村惠弌(おさむらけい