2017年4月29日(土・祝)~6月25日(日)にかけて、名古屋市美術館にて『異郷のモダニズムー満洲写真全史―』展が開催される。 1906年、日本は「南満洲鉄道株式会社(満鉄)」を設立し、本格的な植民地経営に乗り出す。その後、満洲の存在と意義を日本国民に知らせることを目的に、満鉄による啓蒙活動が展開されていく。その「内地」に向けての「弘報」活動において、視覚的な資料=写真が宣伝材料として重視されるようになった。満洲の写真は、1932年の満洲国建国の前後からは絵画的に配信されるようになった。 しかし、日本の敗戦とともに満洲国は崩壊し、それとともに満州の写真表現の展開も消滅する。「記録」と「表象」、「紹介」と「啓蒙」、さらには「宣伝」へと展開した満洲の写真は、近代を記録し続けた写真というメディアの発展をたどるものだったといえよう。 本展は、およそ四半世紀の間に展開した満洲の写真表現を、貴重なヴ