性欲は厄介だ。そもそも人には発情期がなく、セックスは本能に根ざしていない。その上、何に欲情するかは人さまざまだ。おまけに恋愛感情がなければ性欲が起動しないわけでもない。 そんな面倒さを孕んだセックスでありながら、恋愛や結婚に関する書物は花盛りの一方、セックスについて言及したものは少ない。あったとしても、だいたいがテクニックに関する技術本だ。 本書は、そんな厄介なセックスを真摯に考え抜いた1冊である。 著者の山口みずかは大学卒業後、訪問販売業を経て、ソープランドをはじめとした風俗店でセックスワーカーを10年ほど勤めた。 〈だてに長年風俗嬢をやってきたわけではないので、愛とセックスについては一家言ある〉と山口はいう。 自ら「物言う売春婦」という山口だが、彼女の愛とセックスと結婚観について見ていく前におさらいをしておこう。一般的に愛とセックスは結びついているという不文律のルールがある。 男はこう
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