初めて名前を聞いたのは、確か映画通のデザイナーさんと話していた時だったように思う。すでに通常営業はしていないその劇場は、築100年にもなる建物がそのまま残っていて、今でもごくたまにイベント上映が行われているとか。 早速検索してヒットした画像を見て俄然興味が湧いた。コンクリ剥き出しの床、年代物の映画のポスター、そして映写機の前で微笑む老紳士。なんだこの『ニュー・シネマ・パラダイス』な世界は! いつか実物を見てみたいと思いながら、機会を逃し続けて数年。ついに訪れることができた。 本宮映画劇場。 福島県本宮市で、1914年(大正3年)に開館。ちなみに1914年といえば第一次世界大戦が勃発した年である。 幻のカーボン式映写機が現役で稼動する JR本宮駅近く、大通りを1本入った路地裏にその建物はあった。ピンクの外壁に堂々たる3階建て。ごく普通の住宅街の中にあってはなかなかに異彩を放っている。きっと開
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