『テルマエ・ロマエ』の原作者であるヤマザキマリが、「映画化で受け取ったお金は100万円」と告白したことで物議を醸した「映画原作使用料」。映画化において原作者が受け取れるお金について、日経エンタテインメント!が独自に調査した。その仕組みとルールを解いていくと、日本映画ビジネスの構造的な問題が浮かんできた。今、日本のメジャー映画は小説かマンガ原作がほとんどだ。映画会社最大手・東宝の2013年公開
今や老若男女を問わず、愛されるようになったアニメーション。「日本のアニメーションは世界にも受け入れられている」と言われることもあるが、ビジネスとして健全な成功を収められている作品は決して多くない。この連載では現在のアニメビジネスについてデータをもとに分析し、持続可能なあるべき姿を探っていく。 一連のアニメ産業空洞化に関する記事「海外への外注増加で日本アニメは空洞化するか?」「米国アニメ産業はアウトソーシングで空洞化したか」では、アウトソーシングがあっても海外にライバルは育っていない現状を指摘した。 そして、前回の記事「90年代から空洞化は言われているけど……なぜ若手が育っているのか?」では、原画アニメーターになるための訓練工程である動画が海外に発注されている中でも、国内のアニメーターがある程度育っている現状を紹介した。 →「海外への外注増加で日本アニメは空洞化するか?」 →「米国アニメ産業
一度読むとまさに粘りつくように記憶に残るエピソードがある。アタマの中にはそんなのがいくつも転がっていると、時には目から入ってくる情報とおもしろい邂逅をみせてくれる。 『その数学が戦略を決める (文春文庫)』(イアン・エアーズ 著 |山形 浩生・訳|2007)という本がある。 ぼくが気になっていたエピソードはその著書の中にでてくる「6.6 大コケ映画を探せ」という一章だった。これがここ数年ずっと頭のどこかに転がっていた。 簡単にいうと、映画の興収が巨額になるか、鳴かず飛ばずでおわるかを決定づけるのは、役者や監督あるいは宣伝費の大小なんかではない、シナリオの出来しだいなのだ。しかもそれは事前に数式でもって精度高く予測することが可能だ、というもの。 実はエアーズがこの題材に気づいたのが、マルコム・グラッドウェルが2006年にニューヨーカーに書いた記事「The Formula」だったのである。そう
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