シーザーの写真に写っていた6,786人の大半は、ダマスカス市内にある5つの諜報機関支部に拘禁され、遺体はその後市内の少なくとも2つの軍病院に移送された。病院への移送の期間は、シーザーが写真ファイルをコピーして職場から持ち出し始めた2011年5月から、シリア国外に脱出した2013年8月までだ。「人権のためのシリア・ネットワーク(Syrian Network for Human Rights)」は2011年3月以来、シリアで逮捕・拘禁された11万7,000人超を記録し続けている。 ヒューマン・ライツ・ウォッチは、シリア政府の拘禁施設にまん延する拷問、飢餓、暴力、疾病の証拠を確認。調査員たちが写真の27人の身元を特定した上で、シリア諜報機関による逮捕、拘禁下の虐待行為および拷問を調査・検証した。逮捕の様子に関する証言を遺族から収集し、あざや傷あと、刺青などの身体的特徴を比較、かつ同時期に同じ施設