【Nationalgeographic】"球電"という言葉を聞いたことがあるだろうか。球電(ball lightning)とは、その名が示す通り、あたかも電気を帯びて発光したボール状の物体が、地面から浮遊して移動するという謎の現象である。これまで数百年以上に渡り、世界各地で目撃が続いているが、その正体はいまだ明らかにされていない。「まだ決定的な理論はありません。誰もその正体を知らないんです。」そう語るのは米ワシントンDC、海軍研究所の物理学者、グラハム・K・ハブラー博士である。「大多数の科学者は、いまだこの現象を説明する理論が確立されていないと考えています。」(写真は1987年長野県黒姫で日本の学生が偶然屋外で撮影したとされる球電の写真。球電を収めた数少ない貴重な写真として世界的に知られる。クリックで拡大) 球電との接近遭遇 かつて行われた球電に関する幾つかの調査によれば、実に30人に1人