筆者はベオグラードで開かれたロシアのリベラル派の会合で、中立系世論調査機関レバダセンターのレフ・グドコフ所長に話を聞いた。ロシア人の生活水準が急激に悪化してもプーチンの支持率が80%超から落ちない理由として、グドコフは、他国では有効な批判がプーチンには通用しない点を挙げた。ロシアを守り世界的に偉大な存在にしたイヴァン雷帝やピョートル大帝、そしてスターリンと同列の扱いを受けているというのだ。 グドコフは「国民はプーチンが構造的な汚職に手を染めている可能性を否定はしないが、その功績に比べれば重要な問題ではないと考えている」と指摘。ロシア人はプーチンが生活水準を改善してくれたと思っており、現在は中産階級となった人々は「自身の尊厳が傷つけられたと感じない限り、抗議はしない」と語った。 政治工学センター(モスクワ)のアレクセイ・マカルキン副所長もグドコフ同様、こうした状況は当面変わらないと見ている。