強盗殺人などの罪に問われ死刑が確定した袴田巌さん(87)の再審は、静岡地裁で開かれた27日の初公判で弁護側が「証拠の捏造(ねつぞう)」を攻め立て、確定審から攻守が逆転した。一方の検察側は「犯人性の立証は可能だ」として、再び死刑を求刑する姿勢を崩していない。 袴田巌さん再審、弁護側「信じがたい冤罪」 裁判長「被告人」使わず 27日に始まった袴田さんの再審。裁判長は刑事事件で通常使われる「被告人」と呼ばず、袴田さんと名前で呼びました。弁護側と検察側の主張には、いまだ大きな隔たりがあります。これまでの経緯や今後の見通しについてまとめました(全2回の2回目・1回目からつづく) 第1回・“5点の衣類”弁護側が突く変遷 「証拠捏造」 関連記事・秀子さん「弟に真の自由を」 袴田さん再審、検察に厳しい視線 検察側は「5点の衣類」の捏造を否定し、確定判決が認定した間接証拠を積み上げて有罪立証を図る方針だ。