文化財保存の大切さや、学芸員の職務を全くわきまえない発言だ。 山本幸三地方創生担当相が文化財観光の振興をめぐり、「一番がんなのは学芸員。一掃しないとだめだ」と語った。訪日外国人旅行者(インバウンド)による地方創生を、観光に関心がない学芸員が妨げているとでも思っているのだろうか。 しかし学芸員は、資料の収集、保管、展示、調査研究などを行う専門職員である。文化財保護法は文化財を保存し、かつその活用を図ることを目的とする。山本氏は、こうした制度への理解を著しく欠いている。 京都市の二条城について「文化財のルールで火も水も使えない。花が生けられない。お茶もできない」と述べた。これには事実誤認がある。 昨年のイベントでは能や生け花が実演されており、二条城の関係者は「勝手に間違ったイメージを作っているのでは」と疑問を呈した。 さらにがんの例えは、がん患者や家族への配慮がまるでないものだ。 無理解とおご