◎京都新聞11月22日 「視点2011」より 裸で放り出される若者層 「民意」が教員評価 ネガティブな感情を動員 中島岳志 橋下徹氏が率いる「大阪維新の会」が提出した「教育基本条例案」が議論になっている。その内容は多岐にわたるが、「教育への競争原理の導入」と「不適格教師の免職」が骨子となっている。 高校が“ネット”に 条例案では、大阪府立高校の学区制廃止とともに、3年連続定員割れとなった学校は統廃合の対象とすることが明記されている。 この条項は、「学力格差」の拡大が深刻な教育現場を直撃する。今年の府立高校入試で大幅な定員割れが起きた学校は、学力的な課題を抱えた生徒が多く通う高校に集中しているからだ。 しかし、高校はさまざまなかたちで、若者の重要なセーフテイーネットの役割を担っている。先日、大阪府立西成高校を取材したが、この学校には、家に自分の学習机がない生徒が半数以上おり、家庭環境の