行政や企業ではない、社会の第3のセクターとしての非営利組織(NPO)の意義は何か。 NPOが法人として組織を整え、活動しやすくすることを狙った特定非営利活動促進法(NPO法)が施行され、昨年末で20年が過ぎた。それを機に、1990年代に超党派による議員立法を呼びかけ、実現させた市民団体などが、各地で勉強会を開いている。 非営利法人に関しては、NPO法から10年遅れで公益法人制度も改革され、設立が簡単な一般法人制度ができた。法人の新設はNPO法人から一般法人へと中心が移ったが、両者に公益法人を加えた総数は10万を大きく超え、環境や福祉などの問題に取り組む主体として非営利法人はすっかり身近になった。 「非営利」は無償のボランティアに限らない。活動を継続するには、寄付や会費、事業収入を組み合わせ、法人としての経営を安定させることが大切だ。ただ、株式会社の配当のような利益の分配はしない――。 そう