東京地裁は18日、出光興産による公募増資の差し止めを求めた出光創業家の仮処分申し立てを却下した。調達資金を借入金返済に充てるなどとした会社側の説明に一定の合理性を認め、「(増資の)主要目的が不当なものと認めることはできない」と判断した。増資によって昭和シェル石油との合併に反対してきた創業家の出光株の持ち分比率が下がれば、出光の合併構想は実現に向けて大きく前進することになる。 創業家側は決定を不服として、東京高裁に即時抗告した。 東京地裁は、増資について「(経営陣が)自らを有利な立場に置く(不当な)目的が存在した」と認定。成長のための投資などとした説明についても、合理性はないと指摘した。 一方で「借入金の弁済期を数カ月後に控えており、それまでに返済資金を用意する必要性が高いことは客観的に明らかだ」などとして、著しく不公正なものとまでは言えないと結論付けた。
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