水戸市は30日、足利銀行を傘下に持つ足利ホールディングス(HD、宇都宮市桜)と経営統合に向け最終調整している常陽銀行(水戸市南町)に対し、共同持ち株会社の本社を東京都に置く方向で検討しているとされることに「断固反対」の姿勢を鮮明にし、本社を水戸市に置くよう要請した。県内最大手の地方銀行の動向に、行政側は神経をとがらせている。 水戸市の高橋靖市長は市役所を訪れた常陽銀行の坂本秀雄専務に要請書を手渡した。要請書には東京本社案について「現在の国・地方の取り組みの趣旨に齟齬(そご)を来すばかりでなく、貴行の顧客イメージを損ね、水戸市をはじめとする地域経済活動の地盤を揺るがし信頼を毀損(きそん)する。断固として反対する」と明記した。 高橋市長は坂本専務に「水戸市に本社を置く上場企業が非常に少ない中、街のイメージダウンにもつながる。本社は水戸市に設置して、引き続き地域に根ざした金融機関として発展し