広告最大手の電通が11日発表した09年3月期連結決算は、純損益が204億円の赤字(前期は362億円の黒字)と落ち込み、連結決算をまとめた78年3月期以来、初の赤字となった。世界的な不況で企業が広告費を大幅に絞り込んだことなどが響いた。 新聞や雑誌の出稿減が大きく、売上高は前期比8.3%減の1兆8871億円、本業のもうけを示す営業利益は23.1%減の431億円。中本祥一常務執行役員は「しばらく厳しいが、今期の好材料の一つは総選挙。選挙が拮抗(きっこう)する状態になれば、広告にもたくさんお金を使ってもらえるのでは」と、総選挙関連の広告需要に期待感を示した。