市長選の激戦から一夜明けた25日。沖縄県名護市は1週間にわたる喧噪(けんそう)がうそだったかのように静かな朝を迎えた。 長年、市内で保守系県議の秘書を務めた男性(63)は今回の選挙を、「地域の活性化を米軍基地に頼るかどうかが争点だった。有権者は疲弊する経済の活性化に関心があったのに、鳩山由紀夫首相が政府の専権事項である国防問題の判断を委ねようとしたため、反米、反基地を唱える革新的グループに操られた可能性がある」と浮かない顔で分析した。 名護市が米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設受け入れを決めた後、政府は、その見返りとして、沖縄振興策の名で総額2000億円を超える支援を続けてきた。 今回の選挙では、それが十分な経済効果を果たさなかったという議論が噴出。当選した稲嶺進氏(64)の陣営は、前原誠司沖縄・北方対策相が「(振興策は)基地と切り離して行いたい」と述べ、平成22年度予算案で北部活性化特別