日本経団連の御手洗冨士夫会長は28日、定時総会を経て2期4年の最後の1年に入る。「強い政策集団」を目指した御手洗会長だったが、在任中に首相が3度交代する政局の混迷と世界同時不況という「二つの非運」(経団連幹部)に見舞われ、道州制の実現や税財政改革など重要政策の遂行力には疑問符が付いたままだ。政権交代をかけた総選挙を控え、政局の先行きが見通せない中、この秋には後継の会長候補を決める大仕事も控える。「非運の会長」にとって、試練の最終年となりそうだ。【三沢耕平】 「政治と経済は政策という車軸でつながった車の両輪。両方が回転しなければ日本経済の発展はない」。御手洗会長は報道各社のインタビューで、政治との距離を自動車に例えてこう表現した。 御手洗会長は66〜89年を米国で過ごし、07年に発表した「御手洗ビジョン」ではレーガン米元大統領について「私にとって最も印象深く、『強いアメリカの復興』のメッ