【上海=河崎真澄】世界第2位の経済大国に王手をかけた中国が、逆に発展途上国の立場を強調し始めている。経済規模に見合う大国の責任を負うよう求める国際世論の高まりや、国内の格差拡大による社会不安増大を警戒したためだ。 共産党機関紙、人民日報系の国際情報紙、環球時報は国内調査として、中国の総合国力をどうみるか、との報告をまとめた。それによると「発展途上国」との回答が78%と圧倒的で、先進国(6%)、先進国に近い(12%)との見方を大きく上回った。国際的地位については「二流国家」との回答が44%で「一流国家」の36%を8ポイントも上回った。 世界2位の経済大国になる可能性について、「それでも家や車は簡単には買えない」「国は金持ちでも大衆は今も貧乏だ」といった不満がむしろ募る。同紙の調査は、あえて世界2位の経済力への庶民の“違和感”を強調することで、格差拡大に対する社会不安を引き起こさぬよう自国民を