現代のコンピュータは、すでに計算機の枠に収まらず、あらゆるメディアを表現する「表現機」の様相を呈していますが、しかし、その根源は単純な算術計算を目的に設計された計算機です。たまたま、コンピュータは記述可能なあらゆるモデルをシミュレートし、再現する能力を持っていたため、現在のメディアとしてのコンピュータが発達したのです。コンピュータ上でシミュレートとされるテキスト、グラフィック、サウンドなど、あらゆるメディアの原始的な姿は値です。本稿をご覧になっている読者の皆様は、コンピュータ上のあらゆるデータが2進数であることはご存じでしょう。 C言語のようなプログラミング言語で扱うデータも、その中身は2進数の値です。あらゆるデータは 1バイト(8桁)の2進数を羅列したものにすぎませんが、そのままでは扱いが厄介です。そこで「型」という考え方が登場します。型は、操作対象のデータがどのような性質や構造をもって