財布の中身の奪い合いから、個人の時間を奪い合う時代――林野宏・経済同友会消費問題委員会委員長(クレディセゾン社長)(1) - 09/09/02 | 14:20 未曾有の消費低迷が続く。消費構造が大きく変化する中で、不況による雇用と所得の減退が、個人消費を悪化させた。百貨店出身の林野宏委員長(クレディセゾン社長)は、消費構造の変化は「起こるべくして起こった」と現状分析する。 ――長引く消費低迷の要因には消費構造の変化が大きい。これを、どのように分析していますか。 少子高齢化だとか、あるいは商品が行き渡ったとか言いますが、それとは別に消費者が変わってきた。これまでは『マズローの欲求5段階説』で言うところの「所属欲求」(みんなと同じブランドを持ちたい)といった平等意識が支えていましたが、もはやそういうものでは動かなくなった。「自己実現欲求」(自分にとって特別なものを持ちたい)という形で、消費