筆者は乗り物ライターだが、ホームヘルパー2級と視覚障害者ガイドヘルパーの資格を持ち、訪問介護の現場に長年従事した経験がある。ガイドヘルパーとして、バスへの乗降を介助したこともあり、公共交通のバリアフリー事情には関心があった。 今回、NPO法人「車椅子社会を考える会」の理事長を務める篠原博美さんの協力を得て、車いす利用者に同行して鉄道を利用した。障害者手帳による割引制度や、「多目的室」「障害者向け座席」を実際に使用することで、車いす利用者の鉄道利用の実態を紹介したい。 急行列車しか割り引かれない障害者割引制度 篠原さんと打ち合わせした結果、新幹線に乗車して障害者対応施設や駅などのバリアフリーを確かめることにした。その後、篠原さんから「仕事で特急あずさに乗車することになったので、駅まで同行しませんか」と連絡があり、篠原氏と一緒に「みどりの窓口」に行き、新幹線の切符を買うことにした。特急あずさの