腸内細菌によって肥満が抑えられる可能性 腸内フローラの乱れが、肥満体質を生む。そんな研究が注目を集めている※1。この研究によれば、まず無菌マウス(腸内に細菌がいないマウス)を2つのグループに分け、一方にはやせている人の腸内フローラを、もう一方には太っている人の腸内フローラを移植。そして約1カ月間、同じエサと運動量で育てた。すると、やせている人から腸内フローラを移植したグループに対し、太っている人から腸内フローラを移植したグループは明らかに脂肪の量が多かったのだ。 なぜ2つのグループに違いが生まれたのか。分析の結果、やせている人の腸内フローラにいる特定の種の腸内細菌が、太っている人の腸内フローラには極端に少ないことがわかった。ではなぜその種の細菌が少ないと、太ってしまうのか。腸内細菌の機能に詳しい伊藤裕・慶應義塾大学医学部教授はこう話す。 「その細菌によって生み出されるのが、短鎖脂肪酸という