大津市立中学の二年男子生徒=当時(13)=がいじめを苦に自殺した事件から五年となった十一日、生徒の父親(51)が同市役所で記者会見した。父親は、この数年の間もいじめによる自殺が後を絶たないことについて「(事件をきっかけに制定された)いじめ防止対策推進法が、何の抑止力にもなっておらず愕然(がくぜん)とした」と話し、小さないじめも見落とさないよう教育現場の意識改革を求めた。 「飛行機にも乗ったことがなかった。生きていたら今も卓球に関わって、みんなを喜ばせてくれる存在になっていたはずなのに」。父親は、十八歳になっていたはずの息子のことを語りながら、涙に声を震わせた。 父親は、現状のいじめ対策について、努力規定が多く自治体ごとに対応に温度差があることを問題視。岩手県矢巾(やはば)町でのいじめ自殺の事例を挙げ「いじめの重大事態が起きているのに必要な会議を開いていなかった。法制度が整備されても、それに